日本のチカラ【字】
“笑顔”支える大黒柱 〜元落語家と子どもたち〜
番組内容①
宮崎県北部、太平洋に面した日向市は世界大会も開かれる国内有数のサーフタウンです。そんな日向市で開かれている意外な大会が「ひむかの国 こども落語全国大会」。2009年から毎年夏に開かれている恒例イベントです。その立ち上げメンバーの一人が、日向市出身の元落語家、甲斐伸也さん(46)。「柱大黒(はしら だいこく)」として県内のイベントなどに出演するかたわら、子どもたちに落語を教えています。
番組内容②
大黒さんも子どもたちも楽しみにしている「こども落語全国大会」…コロナ禍で2020年、2021年と2年連続で中止に。そこで大黒さんは「せめて宮崎の子どもたちだけでも落語を披露する場を作ってあげたい」という思いから「こども落語 県大会 大黒杯」を企画。費用は自腹、予算は20万円。台本や小道具の準備、運営も自ら行います。
番組内容③
普段は飼料工場に務める大黒さんは、職場のムードメーカー。工場長にも頼りにされる存在です。家族は妻と子どもが2人。「家でもずっとしゃべってる」と妻の香代さん。昔からお笑いが好きだったという大黒さんは、高校卒業後、落語家を目指し上京。同じ日向市出身の落語家・桂歌春さんに弟子入りしますが、遅刻などが重なり2年後に破門。
番組内容④
さらに、ふるさとで待ち受けていたのは、父親の多額の借金。返済に追われる日々を送るなか「落語のことを考える余裕がなかった」と大黒さん。借金を完済し、家庭を持った時、心に浮かんだのが「迷惑をかけた人たちに落語で恩返しがしたい」という思い。自腹で立ち上げた「大黒杯」も恩返しの一つ。大会には県内の小中高生22人がエントリー。リモート予選会を経て、8人の子どもが大ホールでの決勝大会に臨みました。
番組内容⑤
緊急事態宣言が明けた10月。こども落語全国大会の歴代チャンピオンが集う特別大会。大黒さんもスタッフの一人として参加しました。審査員として招かれたのは、かつての師匠・桂歌春さん。落語で恩返しを、という思いで邁進する元弟子にかけた言葉とは…。みんなの笑顔のために力を尽くす、柱大黒こと、甲斐伸也さんの想いに迫ります。
出演者
【出演】甲斐伸也(日向市出身の元落語家「柱大黒」)【ナレーション】古屋敷沙耶(宮崎放送アナウンサー)